パッシブ運用についての質問と回答
投資初心者
パッシブ運用のメリットは何ですか?
投資専門家
パッシブ運用の最大のメリットは、低コストで市場全体に分散投資できることです。また、個別銘柄を選ぶ手間が省け、自分の時間を有効に使える点も大きな利点です。
投資初心者
パッシブ運用にはどんなリスクがありますか?
投資専門家
パッシブ運用の主なリスクは、市場全体の動向に依存するため、下落相場では損失が避けられない点です。また、特定のセクターや業種に偏りすぎると、それに基づくリスクを抱える可能性があります。
パッシブ運用とは? その基礎を理解しよう
最近、投資に関する情報が溢れる中で見かける「パッシブ運用」という言葉。
本記事では、このパッシブ運用について初心者向けに解説していきます。
まずは、どういうものなのか、どのような背景があるのか、そして実際にどう使うことができるのかを見ていくことにしましょう。
パッシブ運用の解説と背景
パッシブ運用という言葉には、「受動的」と「能動的」という意味があります。
つまり、パッシブ運用は市場全体に投資することで、市場の平均収益を狙う手法です。
その代表格とも言えるのがインデックスファンドです。
このインデックスファンドは特定の市場指数(例えば、日経225やS&P500など)に連動した運用を行います。
これにより、個別銘柄を選ぶ必要がなく、管理コストも抑えられるため、多くの人々から支持されています。
パッシブ運用の発展には、歴史的背景があります。
1970年代にはアメリカのエコノミストであるウィリアム・シャープ氏が提唱した理論が影響を与えました。
彼は、市場が効率化されている場合、能動的な運用によって市場平均を上回ることは難しいと指摘しました。
これ以降、パッシブ運用が徐々に注目され始めました。
近年では、低コストで運用できる点から、様々な世代の投資家に広まりつつあります。
2021年にはアメリカの株式市場でパッシブファンドが持つ資産が初めてアクティブファンドを超えたというデータもあり、その人気は止まるところを知りません。
具体的な使い方と仕組み
では、具体的にパッシブ運用はどのように使われているのでしょうか?
最も一般的な手段がインデックスファンドですが、ETF(上場投資信託)としても提供されています。
これらを活用することで、手軽に分散投資を実現できます。
たとえば、1万円を投じれば、自動的に多くの企業の株に分配される仕組みです。
これにより、リスクが軽減されながらも、市場の成長分を享受することが可能になるのです。
具体的には、ドルコスト平均法という手法を用いて、一度に大金を投じるのではなく、定期的に少額ずつ投資をする方法が効果的です。これにより市況が悪い時でも、積立を続けることで、結果的に購入単価を下げることができます。
長期間にわたり続ければ、時間を味方につけて着実に資産形成を進めることが期待できるでしょう。
ただし、パッシブ運用にも注意点があります。
一つは「市場落ち込み時」における影響です。
市場全体が一気に不景気に陥った場合、パッシブ運用をしていると、逃げ道がない状況になります。
また、インデックスに組入れられている企業の業績が問題となる場合、その影響を直接受けることになります。
さらに、過去の成績が未来の成績を保証する訳ではありません。
「あの時は良かった」と思っても、今後必ず同じように議面を守るわけではありません。
応用と課題
パッシブ運用の魅力は多岐に渡ります。
コストの低さだけでなく、手間がかからない点も挙げられます。
しかし、それに伴う課題“も”存在します。
まず、相場の変動が小さい環境においては、積極的な投資を好む人には物足りなさを感じるかもしれません。
市場が好調な際には、短期的な利益を追求する従来型のアクティブ運用との比較で、利回りが劣ると考える投資家も出てきます。
また、パッシブ運用では特定のセクターや地域に特化された商品もありますが、これらは高騰局面での恩恵が薄くなることがあります。
一定以上のリスクを取らず安全を求める傾向が強い方々には合致しますが、逆に高い成長のチャンスを逃す可能性も秘めています。
結局のところ、自分自身の投資スタイルやポートフォリオによって選択肢を見極めることが重要になってきます。
最近では、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資など、新しい潮流も生まれています。
これは従来のパッシブ運用に加えて、倫理的側面を重視した投資方法です。
将来的には、こういった新しい風潮と融合した新しい形のパッシブ運用が進化していくことでしょう。
まとめ
今回はパッシブ運用について詳しく解説しました。
市場への取り組み方の一つとしてこの手法を覚えておくだけで、資産形成に役立てることができるでしょう。
今後の投資ライフの参考にしてみてくださいね。