上場REITと非上場REITの違いを知っておこう
昨今、投資先として注目されている不動産投資信託(REIT)。
その中でも「上場REIT」と「非上場REIT」があり、それぞれ特徴が異なります。
特に流動性や投資対象の違いは初心者にとって重要なポイントです。
ここでは、これら二つのタイプのREITについて詳しく解説し、どちらが自分に合った投資スタイルなのか考える手助けをします。
REITとは何か? 基本的な背景
まず、REITの基本から押さえておきましょう。
REITは、不動産に投資するための金融商品で、一般の投資家も少額から参入できます。
日本初のREITである「ジャパンリアルエステイト投資法人」が2001年に上場したことで、日本市場にも浸透しました。
驚くべきことに、2023年現在では、国内外で多様なREITの商品が存在しており、その総資産は数十兆円に達しています。
REITは、主に収益不動産への投資による賃料収入や売却益を通じて利益を生み出し、その大部分を配当として投資家に還元します。
この仕組みは高利回りを期待できる一方、リスクも伴います。
それゆえ、具体的にどんなREITに投資するかは慎重に判断する必要があります。
上場REITの魅力と特徴
上場REITは証券取引所に上場しており、株式と同様に売買可能です。
その最大の特徴は流動性の高さです。
もし急に現金が必要になった場合、いつでも市場で売却できます。
また、価格は需給関係によって常に変動し、透明性のある取引が行われます。
例えば、日経平均株価と連動しやすいJ-REIT指数などもあります。
さらには、構成されている物件の範囲が広いため、オフィスビル、商業施設、住宅施設など、さまざまなセクターの不動産に分散投資されています。
これにより、特定の物件に依存せず安定した収益を得られる可能性が高くなります。
最近の統計によれば、2022年度のJ-REITの年間平均利回りは約4.5%となっています。
ただし、「上場」という特性から、市場全体の影響を受けるため、経済情勢や市場心理が反映された価格変動が大きいというデメリットもあります。
非上場REITの独自性と運用面
一方で、非上場REITは証券取引所に上場していないため、流動性は低いですが、その分長期的な視点で安定した運用を目指しています。
投資家の間では
機関投資家向けの傾向が強く、大口の資金を使って非公開で取引されるケースが多いです。
ここで得られる利回りは通常上場REITよりも高くなることがあり、高リスク・高リターンを狙う人には適しています。
また、非上場REITは特定のテーマに基づいた戦略的な運用が行われることが多く、物流施設やヘルスケア関連の不動産など、特殊なニッチ市場を攻める結果、上場REITに比べ自由度が高いとも言えます。
最近の事例として、特定の地域密着型の医療施設をイチ早く取得し貸し出し始めるケースなどがあげられます。
しかし、流動性が限られているため、需給バランスによる価格形成が難しいことと、不動産業界固有の情報格差が生じやすい点には注意が必要です。
さらに、評価方法が複雑で透明性に欠ける側面があるため、十分な調査が求められます。
投資対象の選び方と個々の目的に合わせた利点
さて、上場REITと非上場REITそれぞれの特徴を理解したところで、それぞれがどのような投資対象として有用かを検討してみましょう。
キャッシュフローを重視するなら、即座に売買可能な上場REITが効果的です。
利回りが安定し、多様なポートフォリオが築けるため、初心者にも扱いやすいでしょう。
しかし、他国とのインターネット取引も普及しているため、グローバルな視野でのマネジメントは不可欠です。
逆に非上場REITの場合、資産保全や将来的な収益成長を目指すのであれば、一長一短がありますが、時間をかけて育てる楽しみがある点や、購入後の管理が楽なのでストレスが少ないというメリットもあります。
ただし、流動性が低いため、不要になった際の出口戦略を考慮する必要があります。
近年では、REIT市場は再編成を進め、専門のファンドマネージャーが運営するプロフェッショナルなノウハウを持つ案件が増加しています。
一例として、環境対応型の建設マネジメントを実施したREITが注目されています。
これにより、利害関係者として企業の社会的責任(CSR)が意識され、興味深い展開につながっています。
まとめ:自分のスタイルに合わせて選ぼう
以上、上場REITと非上場REITにはそれぞれの特徴があり、自身の投資スタイルやリスク許容度に応じて、良い選択肢を見極めることが大切です。
悪化する経済状況や市場の動向をしっかり把握し、自分が本当に求めるものは何かを考えて投資に臨んでください。 自分にとって最適なREITを選ぶことが、成功する投資の第一歩です。